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歴史図書社 rrr修験道において峰中で重んじられる修行法に、人を含む一切のものが、地 獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天・声聞・縁覚・仏という十界を互いに具え ているという真如を悟り即身成仏するという十界修行がある。そこでは、母 胎に擬えた宿房を道場とし、床堅・懺悔・業秤・水断・閼伽・相撲・延年・r 日本には古来、山岳を畏怖すべき森羅万象の地として信仰の対象とする宗教があった。この原始信仰は、外来の宗教の影響を受けて、自然と一体化し神々の存在を実感するために自ら険しい山々を抖 する人々を生み出す。やがて形成されていく修験道では、山伏が、峰入りに際して死を意味する儀礼を行い、他界の地とされる山中で修行することによって霊的な生命力を取り戻していく。修験道の山岳修行には、象徴的な死とそれに続く苦行によって仏となり生まれ変わるという「擬死再生」の考え方が見られる。r小木・穀断・正灌頂という十種の修行が行われる。この十種修行について諸 ノ トハr大峰山中での修験行者が修得すべき秘伝を集録した、学峰雲外(~一六九r十界一如観門。即身即佛極位也」とする。そして、この十界一如という真如 観に至る修験道独自の修行法を、学峰は「胎内修行」という言葉で捉える。 修行者が、儀礼によって死者となった後、峰中でふたたび一個の人として新 たに自己を形成していく過程が、母胎内での成長に擬せられる。胎内は、一 切諸法の根源で本来的に存在する阿字より起こり、そこには、胎蔵界と金剛 界の一切の諸仏が住する。胎内とは、「不変真如」(永遠不動の真理)を表すrものであり、また、「萬法種子」(ありとあらゆる存在を生ずる力)を有する。 (注1) カハr一~)の『峰中秘伝』(元禄七年・一六九四・刊)の冒頭、総説にあたる部 分は、次のようにして始まる。r胎内で育まれた修行者は、「我五體者本有本来佛身」(尊海『修験常用秘法集』 (注3)rハマチマチニシテ ノ ノハ ノ ル 夫佛道修行区別。頓證菩提法雖二品多一。即身成佛教獨自二山伏密教一起。rネット本97200円

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